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さるかにかっせん

日本の神話と十大昔話

楠山 正雄

線上閱讀楠山 正雄《日本の神話と十大昔話(さるかにかっせん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 36,605 字 · 76 頁

青空文庫

「あつい。」

と猿はさけんであわてて鼻面をおさえて、台所へかけ出しました。そしてやけどをひやそうと思って、水がめの上に顔を出しますと、陰から蜂がぶんととび出して、猿の目の上をいやというほど刺しました。

「いたい。」

と猿はさけんで、またあわてておもてへ逃げ出しました。逃げ出すひょうしに、敷居の上に寝ていた昆布でつるりとすべって、腹んばいに倒れました。その上に臼が、どさりところげ落ちて、うんとこしょと重しになってしまいました。

猿は赤い顔をありったけ赤くして苦しがって、うんうんうなりながら、手足をばたばたやっていました。

そのとき、お庭の隅から子がにがちょろちょろはい出してきて、

「親のかたき、覚えたか。」

と言いながら、はさみをふり上げて、猿の首をちょきんとはさみではさんでしまいました。