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あねがわのかっせん

日本合戦譚

菊池 寛

線上閱讀菊池 寛《日本合戦譚(あねがわのかっせん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 154,771 字 · 313 頁

青空文庫

勝家の軍がこの処まで来て見た時には、既に余吾の湖を中心として、秀吉の防備線が張られた後なのである。勝家この線を打破らなければ、南下の志は達せられないわけである。さて勝家南下の報に、長浜まで馳せ上った秀吉は、翌日には総軍三万五千余騎、十三段に分って、堂々余吾床に打向った。先陣羽柴秀政。二陣柴田伊賀守の勢。三陣木村小隼人、木下将監。四陣前野荘右衛門尉、一柳市助直盛。五陣生駒甚助政勝、小寺官兵衛孝隆、木下勘解由左衛門尉、大塩金右衛門、山内一豊。六陣三好孫七郎秀次、中村孫兵治。七陣羽柴美濃守。八陣筒井順慶、伊藤掃部助、九陣蜂須賀小六家政、赤松次郎則房。十陣神子田半左衛門尉正治、赤松弥三郎。十一陣長岡越中守忠興、高山右近。十二陣羽柴次丸秀勝、仙石権兵衛尉。十三陣中川清兵衛尉清秀。最後が秀吉旗本である。先陣既に行市山の佐久間盛政の陣所近くに押し寄せ、双方から数百の足軽が出て矢合せしたが、其日はそれ位で空しく暮れて行った。翌十二日の未明、秀吉、福島市松、中山左伝二人を連れて足軽の風態で、盛政の陣所行市山を窺い、その有様を墨絵にして持ち帰った。弟小市郎秀長、甥の三好孫七郎秀次などに向って「昨日の盛政の戦の仕様に不審を抱いて今日敵陣を窺って来たが、流石老功の勝家、此処で合戦の月日を延し、其間に美濃伊勢両国に於て、信孝、一