輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
にほんふどうき
日本婦道記
山本 周五郎
線上閱讀山本 周五郎《日本婦道記(にほんふどうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 11,170 字 · 22 頁
これというぬきんじた才能も無い代りに、まじめで謹直なところが上からも下からも買われて、平凡ながら極めて安穏な年月を過して来た。六年まえ二十五歳で結婚し、臣之助という長男をあげてから、去年の秋二男の牧二郎の生れるまでは、ずっとその安穏な生活が続いたのである。……然し二男を産むと間もなく、妻のみぎはが病みついたのをきっかけのように、その平安無事な生活はがらがらと崩れ始めた。第一は主家の改易であった、その年、つまり寛永四年正月、下野守忠郷が二十五歳で病歿すると、嗣子の無いことが原因で会津六十万石は取潰しとなった。家中の動揺と混乱はひじょうなものだったが、幸い世を騒がすような紛擾も起こらず、多くの者が或いは志す寄辺を頼り、また他家へ仕官したりして、思い思いに城下を離散した。然しこういうなかで、別にひとつの希望をもつ少数の人びとがあった。それは亡き下野守の弟に当る中務大輔忠知が、伊予のくに松山に二十万石で蒲生の家系を立てている、詰り会津の支封ともいうべきその松山藩に召抱えられたい、例え身分は軽くとも主続きの蒲生家に仕えたいというのだ。新沼靱負もそのなかの一人だった、そしてその仲間の人びとと一緒に、ひとまず会津城下の郊外に住居を移して時節を待つことにした。