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きゅうぶんにほんばし
旧聞日本橋
長谷川 時雨
線上閱讀長谷川 時雨《旧聞日本橋(きゅうぶんにほんばし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 158,045 字 · 322 頁
子供は行くのでないといわれて、そっと梯子段のところから覗いていると、しまいには二人の老人が浮れて、伊勢音頭を踊っているかげが、庭にむかった、そとの暗い廊下の障子にチラチラと動いていました。その手ぶりのよさ――わたしは最近伊勢の古市までいって、備前屋で音頭を見せてもらいましたが、とてもとても、幼目にのこる二人の老人のあの面白さは、面影も見ることが出来なかったのです。
こんな事を書いたらまだいくらもあるでしょうが、町で生れた子には、自然からうけた印象のすけないことがものたりません。
利久の納屋はあたしの家の物置と一ツ棟で、二ツに仕切って使っていた。丁度庭裏の井戸のところに窓があって、井戸をはさんでの釜場になっていた。
激しいコレラの流行った最終だというが、利久はお媼さんがコレラで死ぬとすぐに倒産れた。万さんという息子は日雇人夫になったが、そののち、角の荒物屋へ酔って来ていた。焼酎をうんと飲んで死んだと、荒物屋佐野さんの十三人目の、色の黒い、あぶらぎった背虫のように背を丸くしたおかみさんが宅へ知らせに来た。佐野さんは時々面白い話をした。おかみさんをとりかえるたんびに、だんだん悪くなって、こんな汚ない女にとうとうなってしまったといった。