輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
きゅうぶんにほんばし
旧聞日本橋
長谷川 時雨
線上閱讀長谷川 時雨《旧聞日本橋(きゅうぶんにほんばし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 158,045 字 · 322 頁
袋物商の娘だったので、袋ものをキチンとつくった。私たちのお弁当箱の袋や、祖母の巾着を気に入るようにつくりあげた。或日、そのおやそさんが、クドクド祖母や母を説いていた結果が、六つの年からあがった長唄の師匠をとりかえられる事になった。おやそさんの姪が、杵屋勝梅という名取りになったが、まだよい弟子がないのだというのだ。
私の長唄のおしょさん六喜美さんは、眼玉にホクロのあるような目で、背中が丸くて、猫がコウバコをつくったようなお婆さんだったが、後取りにする内弟子のふうちゃんより、名取りのおなっちゃんより私を可愛がって、御自慢で附合浚いに連れ廻った。鉄砲町の百瀬という接骨医の裏にいたが、半片を三角にきって煮附けたお菜をわけてくれて、絵硝子のはまった行燈のわきで一緒に御膳をたべさせるのを楽しみにしていた。お浚いの時は、二間の戸棚を開けはなし、中央の柱を上だけぬいて山台にする。十銭札や二十銭札――この間中あったのとは違った――が廃められる時、戸棚の方へむかって、そっと勘定していたが、部厚なのを見せて、誰にもいってはいけないよといった。大きな、どてらを着ていた背中を忘れない。