輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

しょうわよねんのぶんだんのがいかん

昭和四年の文壇の概観

平林 初之輔

線上閱讀平林 初之輔《昭和四年の文壇の概観(しょうわよねんのぶんだんのがいかん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 14,557 字 · 29 頁

青空文庫

六 正統派文壇の新傾向

現代の社会の軌道からそれたあぶくを顕微鏡で見たようなのが、彼の探偵小説の世界である。だから彼の作風は、他人の追随を許さないと同時に、他の作家をリードすることもできないのである。小酒井不木の死は、探偵小説らしい探偵小説の出現をさらにおくらしたという点からだけでもおしまれる。その他には甲賀、大下等の作家があるが、まだ独自のものをもつに至らない。大衆文学としての探偵小説の頷域は、当分の間は最も有望な領域であるが、その全盛期を見るまでには前記の諸理由によってまだ若干の年月が必要とされるであろう。そしてまだ相当の期間の間は、探偵小説の読者は依然として翻訳物につくであろう。

六 正統派文壇の新傾向

島崎藤村氏が、中央公論誌上に年四回の割合で、畢世の大作『夜明け前』を連載しはじめるという予告は、冬眠状態にあった正統派の文壇を一時聳目せしめた。そして、ある人々は、さすがに期待を裏切らなかったと言ったが、大部分の人々は、何となく物足りない感じをもってこれを迎えたことは争われない事実であった。

島崎氏が、従来自己の生活を中心として筆をとってきた、『破戒』から『分配』までの諸作は少なくともそのシリアスな態度において、いかなる場合にも取り乱さない省察の周到さにおいて、明治大正の文学史上における一つのモニュメントたるを失わない。