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ほんしゅうおうだん かんしゃくとほりょこう
本州横断 癇癪徒歩旅行
押川 春浪
線上閱讀押川 春浪《本州横断 癇癪徒歩旅行(ほんしゅうおうだん かんしゃくとほりょこう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 22,749 字 · 45 頁
疲れに疲れし一行は、途中掛茶屋さえあれば腰を下して、氷水を飲む、真桑瓜を食う、饅頭をパク付く。衛生も糸瓜もあったものではないが、こんな蛮勇には病魔の方から御免を蒙るのだから、途中腹を下すような弱虫は一人もなく、牛の歩みも一歩一歩黒羽町に近づき、この前途もう半里ばかりという処まで来かかると、ここにも飴ン棒など並べて一軒茶屋。一行はまたもや一休みして、
「黒羽で好い宿屋はどこだ」と試みに問うと、将棋を指していた四、五人の爺連、
「そうさね、新しくできた花月がよかんべい。あの家は堅えだ。お前様方どこへ泊るね」というので、
「△△屋がいいと聞いたので、荷物も先回しに遣っておいた」と答えると、
「へへへへへ、あの家もよかんべい。梅ヶ谷みたいな女も二人いるだで――」と妙に笑う。形勢甚だ穏かならん。よくよく聴きただせば、△△屋というのは女郎屋と背中合せの曖昧屋で、我が一行の荷物は先回しに、淫売宿へ担ぎ込まれた次第と分ったり。
「サア大変じゃ!」
第一に敦圉き出したのは髯将軍、
「これはいかん! これはいかん! 淫売屋などへ泊れるものか、堅いという花月へ行こう」
「荷物はどうする」