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とうあのへいわをろんず

東亜の平和を論ず

大隈 重信

線上閱讀大隈 重信《東亜の平和を論ず(とうあのへいわをろんず)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 15,708 字 · 32 頁

青空文庫

その時にちょうど勢力範囲ということが唱えられ、分割ということが唱えられた。その時代に私はこれは世界の人達がよほど過っている。ことに外交家が最大なる過ちをやっている。全体手品師のように、人の物を勝手に紙の上に図を引いて奪うということが出来る理屈のものではない。かつて伯林に於て列国会議を開いて阿弗利加の分割をやった事がある。その時に初めてこの「スフウェア・オブ・インフリュエンス」という字が出来た。そういう外交上の言葉が出来るようになった。これは外交官達が「ビスマルク」の前に大きな「テーブル」を置いて、自分が持っている鉛筆で地図に筋を引いて、これは英国、これは独逸、これは仏蘭西と、その取るべきところをきめた。またこのところを取るとよほど面倒だから中立にしておこうなどと、そういう様な事をした。こういう様に紙の上に鉛筆で引いたところの線がそれぞれ事実の上に出現した。これは不思議はない。阿弗利加という国は、諸君も地図でご覧の通り、白くしてある所が多い。あまり黒くなっておらぬ。黒くないのは書くことが少ないからだ。あるいは探検をしない所は皆白くしてある。こういう所を分割するには外交家達が地図の上で勝手に極められるが、支那は四千年の歴史を持っており、四億万の大民族が住居している所である。