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とうあのへいわをろんず
東亜の平和を論ず
大隈 重信
線上閱讀大隈 重信《東亜の平和を論ず(とうあのへいわをろんず)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 15,708 字 · 32 頁
〔「支那保全」論〕
覇者もなおかくの如きことは為さぬ。況んや王者をや。実に人間の欲望は驚くべきものである。露帝は何と宣言したか。支那の現状維持、支那の保全のために支那の開放ということを宣言された。一度ならず何度も宣言した。千九百年に露帝は宣言した。露帝の外務大臣「ラムスドルフ」は亜米利加の国務卿に向って同様の返事をやった。前の「マッキンレー」大統領が支那の開放という事について列国に廻文を発した。それに「ラムスドルフ」は熱心に同意を表した。然るに当時は露帝も外務大臣も内閣も、ことに参謀本部では地図へ線を引いて、これは皆露西亜の地面にしてしまうといって、支那に対する侵略の計画は熟していた。それでもなお且つ表面は支那の現状保全を唱えて、少しも侵略ということは言わない。実に畏るべき国である。
〔「支那保全」論〕
我輩はこの場合に於て支那問題に関する我輩の従来の主張を、繰返す必要を切に感ずるのである。明治三十一年に我輩は東邦協会に於て一場の演説を試みた。その筆記は東邦協会の雑誌に出て、翻訳されて欧米の新聞にも出た。その議論は、国というものは外部の圧力に亡ぼさるべきものではない、外から亡ぼされずして自滅するのであるというが骨子である。