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とうあのへいわをろんず

東亜の平和を論ず

大隈 重信

線上閱讀大隈 重信《東亜の平和を論ず(とうあのへいわをろんず)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 15,708 字 · 32 頁

青空文庫

また団匪の乱に乗じて全く満州を軍事的に占領した。

かくの如く露西亜の膨脹は欧羅巴文明の国際間競争と性質が違っている。何時も強い所を避けて弱い所に向い、機の乗ずべき時があれば直ちに占領する。これ露西亜の政策である。ここに於て露西亜は東洋に勃興するところの日本という新勢力に出遇って、日露の衝突がここに起った。かつて「ポーランド」を亡ぼして日耳曼、墺太利匈牙利に向った時の勢力、もしくは「バルガン」に向った時の勢力、印度に向った時の勢力を、英国、独逸、その他欧羅巴列国に防ぎ止められたと同様に、露西亜の極東に於ける膨脹力は、東洋の日本という新勢力に出遇って防ぎ止められつつある。しかしこの膨脹的運動は一回二回では止まらぬ。機の乗ずべき時があれば、また再び起るのは「バルガン」の例を見ても明らかである。あの「バルガン」の問題というものが列国の「コンフェレンス」の上に成立っているが、列国の利害関係が何時でも同一ではない。時勢に依っては、列国の勢力平衡の上に於て多少変更が起る。利害の衝突が起るというために、列国共同の力は強く見えて、その実甚だ薄弱である。これが即ち外交の乗ずべきところで、ややもすれば露西亜は「バルガン」