輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

やなぎばしものがたり

柳橋物語

山本 周五郎

線上閱讀山本 周五郎《柳橋物語(やなぎばしものがたり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 104,300 字 · 202 頁

青空文庫

になって、はじめておれはおんなというものがわかった、おまえのして呉れることを見て、はじめておんなの有難さというものがわかったんだ、男のおれにできないことを、まだ十八のおまえがりっぱにやってのける、それはおまえがおんなだからだ、ああおせん、おれはこれが四十年むかしにわかっていたらと思うよ」

四十年むかしといえばまだ生きていたお祖母さんのことを云うのではなかろうか、おせんはお祖母さんのことはなに一つ聞いていない。父も母もそのことはついぞ口にしなかった。そこにはなにか事情があったに違いない、そして今源六は悔恨にうたれている、どんな事情かわからないけれど、おんなというものの有難さをその頃に知っていたら、そう云う言葉の中には、なにかとり返し難い後悔の思いが感じられるのだった。

「人間は調子のいいときは、自分のことしか考えないものだ」源六は涙をながれるままにしてそう続けた、「……自分に不運がまわってきて、人にも世間にも捨てられ、その日その日の苦労をするようになると、はじめて他人のことも考え、見るもの聞くものが身にしみるようになる、だがもうどうしようもない、花は散ってしまったし、水は流れていってしまったんだ、なに一つとり返しはつきあしない、ばかなもんだ、ほんとうに人間なんてばかなものだ」