輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

線上閱讀下村 湖人《次郎物語(じろうものがたり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 159,223 字 · 320 頁

青空文庫

でも、やはり世間の眼もありますので……」

「世間など、どうでもよいではございませんか。それを言えば、第一、病人をお預りすることからして間違っていましょうから。」

正木のお祖母さんは、別に皮肉を言うつもりではなかった。しかし、それは本田のお祖母さんにとっては、何よりも痛い言葉だった。正木のお祖母さんも、言ってしまってから、はっとしたらしかった。

いやな沈默がつづいた。庭では蝉がじいじい鳴いていた。

「恭一、――俊三、――」と、お民は次の間の方に顔を向けて二人を呼んだ。二人がやって来ると、力のない声で、

「お祖母さんがお帰りだから、今日はお前たち一緒にお帰り。またすぐ来ていいんだから。」

そう言って彼女は眼をとじた。眉根にはかすかな皺がよっていた。

本田のお祖母さんは、不機嫌な顔を強いて柔らげながら、丁寧に正木のお祖母さんに挨拶した。お民にも何かと親切そうな言葉をたてつづけに言った。そして二人の孫を促して立ち上った。

実をいうと、本田のお祖母さんは、恭一や俊三に病気をうつされるのが恐かったのである。それを体よくごまかそうとして、妙な羽目になったので、病室を出てからも、正木一家の人達に対して、よけいなあいそを言わなければならなかった。