輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

ししゃのしょ

死者の書

折口 信夫

線上閱讀折口 信夫《死者の書(ししゃのしょ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 62,340 字 · 126 頁

青空文庫

郎女は、父の心入れを聞いた。姥たちの見る目には、併し予期したような興奮は、認められなかった。唯一途に素直に、心の底の美しさが匂い出たように、静かな、美しい眼で、人々の感激する様子を、驚いたように見まわして居た。

其からは、此二つの女手の「本」を、一心に習いとおした。偶然は友を誘くものであった。一月も立たぬ中の事である。早く、此都に移って居た飛鳥寺―元興寺―から巻数が届けられた。其には、難波にある帥の殿の立願によって、仏前に読誦した経文の名目が、書き列ねてあった。其に添えて、一巻の縁起文が、此御館へ届けられたのである。

父藤原豊成朝臣、亡父贈太政大臣七年の忌みに当る日に志を発して、書き綴った「仏本伝来記」を、其後二年立って、元興寺へ納めた。飛鳥以来、藤原氏とも関係の深かった寺なり、本尊なのである。あらゆる念願と、報謝の心を籠めたもの、と言うことは察せられる。其一巻が、どう言う訣か、二十年もたってゆくりなく、横佩家へ戻って来たのである。

郎女の手に、此巻が渡った時、姫は端近く膝行り出て、元興寺の方を礼拝した。其後で、

難波とやらは、どちらに当るかえ。

と尋ねて、示す方角へ、活き活きした顔を向けた。