輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

すいちゅうのきゅうでん

水中の宮殿

野村 胡堂

線上閱讀野村 胡堂《水中の宮殿(すいちゅうのきゅうでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 26,533 字 · 52 頁

青空文庫

が得られるという見込で、一生懸命発掘計画を進めておりましたが、何分学者の悲しさ、仕事をする資力が続かなかった為に知合の実業家、唐崎荘之介にその事を話して見たのでした。

奥州は有名な金の産地で、金華山を領地にしていた藤原家には、どれだけの富があったか、想像も出来ない。平泉館の密室には砂金、延金、海鼠、金塊などが山の如く隠してあるだろう――と聞いて、唐崎荘之介は大乗気になりました。早速自分も資本の一部を出し、広く世の中からも資金を募集して、いよいよ仕事に着手したのは昨年の春でした。

幸い歴史学者なる立花博士は、平泉の古記録を手に入れ、それによって仕事を進めるうち、昔の柳の御所の跡から、薄い銅板を一枚掘り出しました。鑑定の結果、それは秀衡が宝庫の所在を、工匠に命じて彫らせたもので、大部分は腐食しておりますが、心得のある者が見れば、十分役に立つ絵図面だったのです。

此処までは発掘事業も順調でしたが、昨年の秋になって、潜水夫が猫間ヶ淵の底を捜っているうち、なんかの過ちで死んでしまい、同時に、折角手に入れた銅板の絵図面を紛失して、発掘事業はすっかりいけなくなってしまったのでした。