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ひょうがきのかいじん
氷河期の怪人
海野 十三
線上閱讀海野 十三《氷河期の怪人(ひょうがきのかいじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 7,321 字 · 15 頁
すると、機から十メートルばかりへだったところに、テントが、柱もしないで、雪のうえにひろげられていた。なにをするために、そんなことをしてあるのかと、彼はその方にあるいていったが、とちゅうで彼は、うむとうなって立ちどまった。それはテントの下から、人間の足が見えたからであった。
テントをめくって、その下を見る必要はない。道彦は、急に頭が、ふらふらとしてきたが、こんなことで、よわい気を出してはならないと思い、げんこをかためると、われとわがあたまをがーんとなぐりつけた。
(……生き残ったのは、先生と自分だけらしいようだ。いや、先生も、このままにしておけば死んでしまうぞ)
道彦はしっかりしなくてはならないと、自分の心をはげました。なんとかして、先生をたすけること、それから、この大椿事を東京へ知らせること、この二つを早くやらなければ、彼のつとめがすまない。彼は、決心をした。どうやら、ここは、ヒマラヤ山脈の高峰らしいが、どこかに、人間はいないであろうか。登山者がいてくれるといいのだが、あるいは山番でもいい。
太陽は山のはしからのぼって、雪山一たいをぎらぎらとてりつける。