輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
かごつるべ
江戸情話集
岡本 綺堂
線上閱讀岡本 綺堂《江戸情話集(かごつるべ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 203,779 字 · 407 頁
しかしお里のことを考え出すと、彼女はまた急に苛々して来た。林之助の見ている前で、お里の島田髷を邪慳に引っつかんで、さっきお此を苦しめたようにその鼻づらへ青い蛇をこすりつけてやりたいとも思った。林之助への面あてに、新しい男を見つけ出して面白く遊んでみようかとも思った。
「又ちゃん。なに……」
又蔵によび出されて、お花は楽屋口へ起って行った。二人は何かしばらくささやき合っていたが、やがてお花はにこにこしながら戻って来た。その時にはお絹はもう舞台に出ていた。
「お花さん。鮓の相手は知れたかね」と、楽屋番の豊吉が食いあらした鮓の皿を片付けながら訊いた。
お花は黙ってうなずいた。
「当ててみようか。浅草の五二屋さん。どうだい、お手の筋だろう」
「楽屋番さんにして置くのは惜しいね」
「売卜者になっても見料五十文は確かに取れる」と、豊吉はいつもの癖でそり返って笑った。
「浅草の大将、だんだんに欺を出して来るね。又公が今来てお前に耳打ちをしていた秘密の段々、これも真正面から図星を指してみようか。お花さんにまず幾らか握らせて、向島あたりへ姐さんをおびき出して、ちょうど浅草寺の入相がぼうん、向う河岸で紙砧の音、裏田圃で秋の蛙、この合方よろしくあって幕という寸法だろう。