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まきのとみたろうじじょでん
牧野富太郎自叙伝
牧野 富太郎
線上閱讀牧野 富太郎《牧野富太郎自叙伝(まきのとみたろうじじょでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 94,045 字 · 185 頁
以来何んだか新世界へ生まれて来たような気持ちである。これからは日本文化のため尽さねば国民たるの資格がはたせないとの孝えから、大いにその責任と義務とを良心的に感じている次第だ。早速にわが仕事として年来蘊蓄した知識を順々に発表するため、「牧野植物混混録」なる個人雑誌を編輯したが、鎌倉書房主人が義侠的にこれを発刊してくれたので以下の号も続いて世に出す事となっている。そして私は疎開先きから帰るや否や躊躇なく我が研究を進め、今日の只今も条書屋の書斎南窓下の机に凭って一方には植物の実物を検し、一方にはペンを動かしてこれを記述し、また写生図をも自分に作っている。この間机前に坐り通し、ただ用事のある時、食事の時、または来客に接する時などだけそれを離れるのである。頃日庭に咲いた中華民国産のマルバタマノカンザシ(円葉玉簪花)の写生に四日を費やしたようの始末で、余り我庭へも出る暇がない。それ故我が庭で何時草の花、木の花が咲き了ったのか知らずに過ごしている事も時々ある。また偶々庭に出るとそこから採集して来た植物を今でも昔と同じく標品に製作して他日の考証に備える用意を怠ってなく、その押紙を取換える事など皆自分でやらんと気が済まない。