輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
まきのとみたろうじじょでん
牧野富太郎自叙伝
牧野 富太郎
線上閱讀牧野 富太郎《牧野富太郎自叙伝(まきのとみたろうじじょでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 94,045 字 · 185 頁
教室の書物も自由に閲覧してよい、標本も勝手に見てよいとマルデ在学の学生と同様に待遇してくれた。その時分はいわゆる青長屋時代であった。私はこれがため大変に喜んで自由に同教室に出入して大いにわが知識の蓄積に努め、また新たに種々と植物を研究して日を送った。そこでつらつら私の思ったには、従来わが国にまだ一つの完全した日本の植物志すなわちフロラが無い、これは国の面目としても確かに一つの大欠点であるから、それは是非ともわれら植物分類研究者の手に依てその完成を理想として、新たに作りはじめねばならんと痛感したもんだから、私は早速にそれに着手し、その業をはじめる事に決心した。それにはどうしても図が入用であるのだが、今それを描く自信はあるからそれは敢えて心配は無いが、しかしこれを印刷せねばならんから、その印刷術も一ト通りは心得ておかねば不自由ダと思い、そこで神田錦町にあった一の石版印刷屋で一年程その印刷術稽古をした。そしていよいよ『日本植物志』を世に出す準備を整えた。その時私の考えではおよそ植物を知るにはその文章も無論必要だが、図は早解りがする。故にとりあえずその図を先きに出し、その文章を後廻しにする事にして、断然実行に移す事となり、まずその書名を『日本植物志図篇』