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こぶ

犬田卯短編集 一

犬田 卯

線上閱讀犬田 卯《犬田卯短編集 一(こぶ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 48,259 字 · 96 頁

青空文庫

自家製の堆肥だけはどうやら真似事位には入れたが、それだけでは泥の廻らない一段と高い方の田など全くどうにもならなかった。そこへは毎年きまって化成を三叺ほど叩きこんだ。ところでその肥料だが――化成のみならず魚糟配合のようなものでも、今年は品不足で(日支事変のための原料不足に加えて製造能力の低下のためだという)価額が倍にも騰貴してしまった。そんなことから、一方では増産ということが国家の至上命令となった関係上、お上の配給制度になり、浩平たちのような、買置きの出来なかった者は村の産業組合からの配給を待たなくてはならなかったのだ。そしてこの配給肥料なら、とにかく成分もたしかだし、価額も一般の肥料商から今まで買ったのよりは安く、「公定」されていた。

甚だ「うまい具合に」――村人の表現を借りると――出来ていたが、しかし実際なかなかそう行かないものとみえて、「今日来る」、「明日は必ず来る」と組合で確言するにも拘らず、まだほんの少し――桑畑への割当分しかやって来ず、「重点」と称せられる水田の分は一向姿を見せなかった。

「仕方がねえから素田を植えたさ」という者も出て来た。