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げんだいにほんのしそうたいりつ

現代日本の思想対立

戸坂 潤

線上閱讀戸坂 潤《現代日本の思想対立(げんだいにほんのしそうたいりつ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 125,540 字 · 245 頁

青空文庫

――独り内閣審議会に限らず、産業組合主義であろうと何であろうと、とも角新官僚というファッショの考え出したものには、政友会は、断然反対だという鼻息なのである。

処が内閣審議会の話しが出たその同じ六十七議会に、政友会総裁鈴木喜三郎氏は、何と思ったか、国体明徴という凡そ政党とは関係のありそうにもない問題に就いて、退屈な朗読演説を試みたことは有名である。

貴族院で某議員が美濃部達吉博士の天皇機関説が、国体の本義と相容れない所以を述べた処、それが意外に世間の反響を呼び起して、ここにもあすこにも美濃部学説打倒、自由主義憲法学説禁止の声が起こり、果ては学匪美濃部一派の撲滅をさえ唱えだす騒ぎとなった。今まであれこれとヒッかかりを造って苦しい主張を大声で怒鳴らねばならなかった右翼、反動、国粋、其の他の諸団体は、これを暗示として、卒然として機関説排撃運動へと戦線統一を企てることが出来るようになった。――之はファッショ団体のことなのだが、処が何と思ったか政友会総裁までがその驥尾に付して、美濃部説排撃、即ち又国体の本義を明徴にしなければならぬ、と急に演説をやったのである。