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げんだいにほんのしそうたいりつ
現代日本の思想対立
戸坂 潤
線上閱讀戸坂 潤《現代日本の思想対立(げんだいにほんのしそうたいりつ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 125,540 字 · 245 頁
六 三六年度思想界の回顧
併しいうまでもないことだが、ここには重大な危険が潜んでいるのである。哲学と文学とは、その党派性を失っては何等の真理へも逢着出来ない。こういう文化の党派性原則がこの傾向の反面に、叫ばれる必要を生じて来るだろうと予想される。
之に連関して特別の意味をそそるものは、宗教でないかと思う。宗教万能式の風潮は従来以上に盛んになるとは考えられないが、宗教論、宗教批判、が凡ゆる領域に渡って(単に宗教と名のつくものに限らず)、行なわれるようになって行くだろうと思う。
要するに、三六年の思想界は大して騒がしくないだろうが、それだけに問題が根本的な処から掘り起こされるのではないか、というのが私の予想でもあり又希望でもあるのだ。
今日のような一定種類の反動期には、之が一等賢明なことでもあると思う。転んでもただは起きない、という現象が見られたら、日本にも「思想」があるといっていいだろう。
(一九三五・一二)
注=この展望は一部分見事に裏切られた。二・二六事件の発生があったからだ。六〔次章〕参照。
六 三六年度思想界の回顧
三十六年度の思想界の動向を根本的に決定した事件は、云うまでもなく二・二六事件である。