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げんだいにほんのしそうたいりつ
現代日本の思想対立
戸坂 潤
線上閱讀戸坂 潤《現代日本の思想対立(げんだいにほんのしそうたいりつ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 125,540 字 · 245 頁
間接な表現をさえ取るに至ったが(風土論の如き)、文化理論其の他に次第にその傾向が浸潤し始めている。蓋し一九三六年の二・二六事件に於ける右翼分子の行動形態そのものが、露骨な暴力性発現の絶頂であって、その後日本の右翼乃至反動的活動はより平和的な形を取るようになり、同時に夫が官憲的乃至社会官憲的な転向政策と精神を一つにし得るようになって来たので、もはや日本主義は従来の露骨な相貌を必要としなくなった。それと共に、日本主義は一歩原則的領域に踏み込んで、各種の民族主義説の形を取るに至った。之が一九三六年度の日本文化情勢の根本特色である。
民族主義は、文化の何等かの積極性という口実の下に、民衆に対する説得力を確保しようと企てている。日本精神文化研究所は最近殆んどその対社会的活動を停止しているが、その代りに、半官憲的な勢力としてのこの日本民族主義理論が台頭して来た。之は哲学や社会科学に於てよりも寧ろ、文芸理論や文化理論に著しい。自然科学も亦、日本的テーマを尊重するという仕方に於て、日本民族的条件を考慮すべしとするものも少なくないが、単にそれだけなら之は初めから当然なことで、強いて民族主義に数えることは出来まい。