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げんだいにほんのしそうたいりつ

現代日本の思想対立

戸坂 潤

線上閱讀戸坂 潤《現代日本の思想対立(げんだいにほんのしそうたいりつ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 125,540 字 · 245 頁

青空文庫

本来の意味に於ける社会的生産、従って又本来の意味に於ける生活上の消費、に利用されるべき目的を持っている。だから之を特に軍需的尺度の下に奨励したり保護したりすることは、その限り自然科学の発達自身を不具にするものに他ならない。だがこうした内部的矛盾にも拘らず、外見上日本の自然科学の現状は、却って之によって相当盛大に向かいつつあるというのが事実だろう。尤も外国の情勢に較べて可なり見劣りするのは何と云っても軍需主義的偏向が、決定的な患いをなしているのだが。

今日本の最近の自然科学界の事情を示すために便宜上左の文章を略々全文引用しよう(「日本科学界の現状」――会田軍太夫『セルパン』一九三七年二月号――但し多少字句の変更を加える)。

去る(一九三七年)一月二十一日、日本学術振興会第五回総会で長岡半太郎博士はこの国の学術研究が振わない原因を述べて、科学者に猛省を促しているが、資本主義先進国の急速な発展にやっと追いついたこの国の科学界に、科学研究の不振が叫ばれるのは致し方ないが、しかし、最近、非常に多くの各専門分科の研究業績がなされつつあるに拘らず、尚且つその不振がいわれる所以のものは、なんと云っても財界が学術研究を重要視してくれぬためだ、と博士はいうのだ。