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げんだいにほんのしそうたいりつ

現代日本の思想対立

戸坂 潤

線上閱讀戸坂 潤《現代日本の思想対立(げんだいにほんのしそうたいりつ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 125,540 字 · 245 頁

青空文庫

なのである。で、支那軍の熱河省進出事件などは全くこの成功の前祝いのようなものだったのである。

ハルハ三角地帯事件などというものもあったが、これは何しろ辺塞の出来事なので、中央の大方針などと割合無関係に、出先きの者共がゴタゴタやるのかも知れない。――かくて非常時とかいう観念は、世界に対する民族的大爆発といったようなものから、今ではただの国防というようなものにまで萎縮して来て了っているのである。

帝人事件が議会の問題になったのは、いわゆる人権蹂躙問題としてであった。勅選議員美濃部博士は、司法官の職権濫用による不法犯罪行為の成立を質問の形で暗示しているのだが、この法律論の背景をなすものは、生粋のブルジョア魂とこの魂から見たいわゆる「司法官ファッショ化」に対する憤慨なのである。このブルジョア魂のためには岩田宙造博士は二度もその議席から立ち上った。右翼的勢力は、議会がブルジョアジー自身の腐敗という問題をば当局側の人権蹂躙問題で以てすりかえ、矛の向きを逆にしてしまったことを憤慨しているが、にも拘らずこの憤慨にはすでにやや受太刀の観がなくはない。

美濃部博士の『憲法精義』