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げんだいにほんのしそうたいりつ
現代日本の思想対立
戸坂 潤
線上閱讀戸坂 潤《現代日本の思想対立(げんだいにほんのしそうたいりつ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 125,540 字 · 245 頁
そればかりではなく各有力紙は自発的に批判的態度を捨てるようにさえなった。三六年に這入って、新聞記者が集団的に無能化したことは特筆すべき文化上の現象だ。却って従来の二流新聞が批判的なニュースによって新しい読者を獲得しつつあるようなわけだ(『報知』『読売』・の如き)。同盟通信成立のおかげでニュースが単調無味で、ニュースとしての意義を失ったことは、新聞紙に対する民衆の信頼を甚だしく傷けた。
そこで新聞紙のような天下の公器を信用出来ないというところから、パンフレットの発行が急に増大した。今日パンフレットは、新聞紙の、又ある程度まで評論雑誌の、不完全な代理物となっている。言論の統制が、雑誌単行本其の他に対しても、より統一的となり組織的となり苛烈となったことは、三六年度の特色である(戸坂潤「出版現象に現われた時代相」―『文芸春秋』一九三六年一一月号〔前掲〕)参照。言論統制は思想取締りばかりでなく風俗取締りにも関係している。かくて映画の検閲が遽かに苛酷になったことは人の知る通りである。ダンスホール、レヴュー、其の他の弾圧も亦、一つの思想統制に帰着することを知らねばならぬ。