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かがくろん

科学論

戸坂 潤

線上閱讀戸坂 潤《科学論(かがくろん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 142,817 字 · 278 頁

青空文庫

自然即ち客観的存在――主観から独立に存在する存在――が哲学的な意味に於ける物質であることは、唯物論の根本命題であった。処が自然のこの根本的な第一規定がすでに、弁証法的であったことを、まず注意せねばならぬ。プラトンの質料(=哲学的意義に於ける物質)は普通無(又は場所・空間)と考えられている。それは確かに単なる有(「ある」)でないという意味では、無でなくてはならぬ。処が最近の哲学史家達の研究が示すように、この無はただの虚無ではなくて、寧ろ、有という定形を以てしては徹底限定し得ない程に、盛りあふれた豊富さそのものを意味するらしい。だから之は有でないことによって却って、有でないどころではなく、圧倒的な有なのである。かくて哲学的範疇としての物質は、存在(=有)は、所謂有と所謂無との矛盾に於て初めてなり立つ処の、その古典的な総合概念なのである*。

* 哲学的物質の概念の発展と特徴に就いては、拙稿「物質の哲学的概念について」(『唯物論研究』二六号)〔本全集第三巻所収〕を見よ。

物質の哲学的範疇を、認識の歴史はやがてその物理学的範疇にまで、具体化し又は特殊化すが、この物理学的範疇としての物質を見る前に、物質の(自然の)次の根本規定を注目する必要がある。