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はんちゅうのはっせいがく

範疇の発生学

戸坂 潤

線上閱讀戸坂 潤《範疇の発生学(はんちゅうのはっせいがく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 3,364 字 · 7 頁

青空文庫

例えば東洋的範疇の偏執者達はそれの欧州的範疇への系統的共軛化を拒否しながら、なおかつ自らに系統的らしい説明を与えたような外観を粧おうとせずにはいられない。これは欧州的範疇が東洋的範疇に較べてその系統的共軛力が有力であるのに反対するための、はかない虚栄からに外ならない。処が実際は彼等は自らの範疇の系統的説明を好まない。なぜならそうすれば東洋的範疇の代りに、これが系統的に共軛化される所の欧州的範疇を採用しなければならなくなるだろうから。そこで彼等は東洋的なるものを過去において発見することによって、これをそのまま直接に、現在の範疇の代りにしようとする。この形が取りも直さず第一公式の反動なのであった。東洋的なるものは論語や仏典や源氏物語に求められねばならない。日本には日本固有の日本的範疇が、思惟が、思想が、国民性が、古来存在する。全く土人王国アビシニアにはアビシニア固有の国民性が、範疇が、古来存在する。日本的思想は永劫以来絶対に日本的であって、決して外来思想に溺れることが出来ない。だが不思議にも、それ故に、(何故かは知らないが)日本的思想は、日本的国民精神は、日本的範疇は恐らくイタリアを除いた凡ての外来思想を欧州的範疇を自らにれい属させねばならない使命を有っているというのである。