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ささめゆき

細雪

谷崎 潤一郎

線上閱讀谷崎 潤一郎《細雪(ささめゆき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 226,715 字 · 431 頁

青空文庫

になっていらっしゃいますから、是非お三人お揃いで、………と云って来た。幸子はスーツケースから幾組もの畳紙を出させて、それらを二つの寝台の上へ一杯にひろげさせ、雪子の着換えを手伝ってやってから、自分と妙子とが着換えをしたが、その間にもう一度催促の電話が懸った。

「さあさあお這入り遊ばして、………」

扉を叩くと、光代がそう云って中から開けた。

「この通り取り散らかしておりまして、失礼なのでございますが」

事実、部屋の中は大小五六箇のトランクや、洋服入りのボール箱の数々や、諸方面から贈られた餞別の包や、亜米利加行きの用意の品々で一杯になっていた。御牧は三姉妹の姿を見ると、急いで椅子から立ち上ったが、紹介が済んでも椅子には戻らず、

「わたくしは此処で結構でございます、何卒こちらへ」

と、自分はスチーマートランクに腰をおろした。椅子はいろいろな形のを合せて四つしかないので、それに三姉妹と井谷とが掛け、光代は寝台の端を選んだ。

「如何です、井谷さん、お客様もおいでになったし、―――」

と、何かの話の続きと見えて、御牧が云った。

「―――見物人が大勢になったところで、是非一つお見せになりませんか」