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ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
線上閱讀谷崎 潤一郎《細雪(ささめゆき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 226,715 字 · 431 頁
十
、―――と、彼女はそんな言訳もした。
十
妙子はその話については口が重く、あまり突っ込んで聞かれることを喜ばない風が見えたので、幸子はそれきりその問題を持ち出したことはなかったが、しかしそうと分って見ると、いろいろなことが改めて眼に付き始めた。この間じゅうから夜おそく帰る度数が多くなっていたこと、何処でそんなに時間を潰すのか出先がはっきりしなかったこと、この家にいながら此処の家族の一員ではないような観があったこと、等々の理由もそれで説明がつくとして、妙子は近頃、帰宅してから風呂へ這入らないことがしばしばあったが、そんな時の顔の色つやから判断すると、どうしても出先で入浴して来るのに違いなかった。彼女はいったい身嗜みに金を懸ける方であったのに、板倉とああ云う仲になってからは貯金の必要を感じ出すと共に吝嗇になり、パアマネント一つかけるのにもなるべく廉い美容院へ行くと云う風だったのであるが、最近は又、化粧の仕方から衣裳持ち物の末に至るまで、際立って派手で贅沢になっていた。幸子は彼女の腕時計、指輪、ハンドバッグ、シガレットケース、ライタア等の品々が、この二た月程の間に一つ一つ新しいものに変って来たのに心づいた。