輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
うつくしいにほんのれきし
美しい日本の歴史
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《美しい日本の歴史(うつくしいにほんのれきし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 18,561 字 · 37 頁
尼は『今夜はいけません、次のときに』と、なだめて帰した。そして数日後の、了庵上堂の大会の日であった。尼はわざと、性の大事について、人々へ法問を向けた。誰もが、偉そうに構えながら、性のことにふれると、みな口しぶる。すると尼は、先夜の若僧の名をさして『論議では埓があきません。先の夜、御僧が望んでいたお約束事を、ここで果たそうではありませんか。さあお進み下さい』と、禅床の真ん中へ出て衣を解きかけた。
若僧は逃げ出したのみか、山からも姿を消してしまったという。――どうもどッちも意気地のない男共である。いったい男共の性観念は、鎌倉の剛健といわれた時代でさえ、こんな程度の薄弱であったから、ついに昭和の今日になって石原慎太郎氏の「太陽の季節」一編に一世を風靡されるなどの珍現象を呈したものか。といえなくもない。
ところで、これと似ている逸話の持ち主に了然尼という尼もある。前の慧春尼より時代はずっと下がって、武田信玄の曾孫、武田寿庵の妻だったという前身だ。初め鉄牛の門をおとずれたが『美人すぎるから駄目駄目』と断わられ、白鴎を師としたが、居るうちにやはり弟子を過まるからと断わられ、その後は自力で大成し、江戸郊外の落合村の泰雲寺に住み六十六で終っている。