輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

線上閱讀火野 葦平《花と龍(はなとりゅう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 410,131 字 · 824 頁

青空文庫

で、お目にかかりましたが……」

「ああ、あのときの……」

女も、やっと気づいたらしく、あらためて、眼に力をこめて、金五郎を見なおした。

金五郎は、耳まで赤くなるほど、顔が火照ってはいたが、いくらか、気分は落ちついていた。

「あれから、もう、三年ほどになります」

「忘れてはいませんわ。……そうですか。立派におなりになって……」

それは、お世辞かも知れなかったけれども、たしかに、あのときは、四国の土百姓で、見るからに田舎者然としていた金五郎は、この三年ほどの間に、どこかに、泥と垢との抜けたところが出来ていた。眼の光も、ちがっている。

そういえば、女の方も変っている。あのときの若さと堅さとにくらべて、妖しいばかり、爛熟したものを感じさせる。堅肥りしていて、やや受け口の厚ぼったい唇にも、青んだ細い眼にも、二重にくくれたふくよかな顎にも、胸をどきつかせるような色気が、みなぎっていた。元禄模様の単衣を、キリッと締めあげた博多帯が、全身にあふれている妖気に似たものを、発散させる噴霧器の役をしている。赤い緒の草履を、無造作につっかけた、指のしなった素足が美しい。

女は、急に、いきいきと、切れ長の眼をかがやかして、金五郎に近づき、