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あかひげしんりょうたん
赤ひげ診療譚
山本 周五郎
線上閱讀山本 周五郎《赤ひげ診療譚(あかひげしんりょうたん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 18,113 字 · 35 頁
「なにか云うようなことがあるのですか」
「ここではまだない」と去定は云った、「たぶんそんなことはないだろうが、用心のために云っておくのだ」
「わかりました」と登は答えた。
去定は十七軒の娼家を訪ね、八人の女たちを診察した。その中には手伝いだという、十三歳の少女も一人いた。女主人は「親類から預かっている手伝いだ」と云い、少女自身は年を十五歳だと云っていたが、胸や腰のまだ平べったく細い躯つきや、痩せた子供っぽい顔などは、どうしても十三歳より上とはみえなかった。去定はまえから彼女に眼をつけていたらしく、むりやりに診察したあと、女主人をきびしく叱りつけた。
「こんな子供に客を取らせるやつがあるか、おれが届け出たら、おまえは臭いめしを食わなければならないぞ」
「なにを仰しゃるんです、とんでもない」女主人は躍起になって否定した、「これはあたしの親類の子です、いくらこんなしょうばいをしていたって、親類から預かった子を客に出すなんて、あたしゃそんな女じゃあありません」
「これは瘡毒だ」去定は少女の口尻にある腫物を指した、「おれはまえから見ていたんだ、からだにもこれができている、これは病毒持ちの客に接しなければできない病気だ」