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こんどういさみとかがく
近藤勇と科学
直木 三十五
線上閱讀直木 三十五《近藤勇と科学(こんどういさみとかがく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 13,465 字 · 28 頁
上篇ノ一
すぐ前に居た一人が突のめされたように、たたっと、よろめいて、双手で頭を抱えると、倒れてしまった。
「伏せっ、伏せっ、伏せっ」
土方は、つづけざまに、こう怒鳴って、大地へ伏してしまった。
「畜生、やられた」
土方の頭の上で、人間の声というよりも、死神の叫びのような絶叫をしたので、振向くと、口から血の泡を流しながら渋沢が、槍を捨てて、鎧の紐を引きちぎろうとしていた。
「何うした?」
渋沢は、眼球を剥出して、顔中を痙攣させながら、膝を突いて、土方へ倒れかかった。土方が避けたので、打伏しに転がると、動かなくなった。
「撃たれたらしいが、何処を――」
と、思ったが見当がつかなかった。
「顔で無いと――鎧を射抜く筈は無いと――」
土方は、洋式鉄砲の威力が何の位のものか、この戦争が最初の経験であった。味方のフランス式伝習隊の兵を見ると、旗本のへっぴり侍ばかりで薩摩のイギリス仕込みだって、これと同じだろう。
(いよいよ斬込みとなったなら鉄砲なんか何の役に――)
と、思っていたが、半町の距離で、この程度の威力を発揮するとしたなら、研究しておく必要があると思った。