輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

おいついたゆめ

追いついた夢

山本 周五郎

線上閱讀山本 周五郎《追いついた夢(おいついたゆめ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 20,427 字 · 41 頁

青空文庫

土蔵をあけてはいると、なにが入っているのか長持や櫃や箱がぎっしり並んでいた。和助はおけいを用箪笥の前へ呼んで、

「この中に金や書付が入れてある、これがこの鍵だ、預けて置くから気をつけて持っていて呉れ、それから……」

彼は鍵を三つ渡して、いちばん奥の長持を指さした。

「この中のは纒まった金だからな、用箪笥のはおまえに任せるが、これには手をつけないように、……いまに見せてやるが、あの長持や箱の中にはかねめの品がたくさん入ってるんだ、私が十年かかって集めたものだがね、おまえがよく面倒をみて呉れれば、いつかはこれがみんなおまえの物になるんだよ」

和助の声には一種の感慨がこもっていた。色の黒い逞しい彼の顔は赤くなり、眼はおちつきなく光っていた。

――そうだ、これはおれの物だ、此処にあるすべてはおれの物だ。

彼はこう叫びだしたいくらいだった。

運ばれて来た食事は、山女魚の田楽に鯉のあらい、甘煮と鯉こく、卵焼などであった。おけいは箸をつけたが、川魚の匂いがどうしてもいやで、甘煮と卵焼しか喰べられなかった。

「此処へ来て川魚が喰べられないのは困ったな、まあそのうちに馴れるようにするんだな、鮎も食えないなんてそれこそ玉川が泣くぞ」