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じんるいのせいぞんきょうそう

進化と人生(上)

丘 浅次郎

線上閱讀丘 浅次郎《進化と人生(上)(じんるいのせいぞんきょうそう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 82,343 字 · 164 頁

青空文庫

幼児が胎内で発育する途中に、何らかの原因によって、頭骨の成長が早く止まって、大脳もきわめて小さいままで生まれ、他の体部は大きくなっても、頭だけがはなはだ小さい奇形児ができることがあるが、これは天然が行なう実験とも名づくべきもので、その生活状態を調べると、普通の人間の大脳の働きを知るためには大いに参考になる。かような奇形児は十歳になっても二十歳になっても精神の状態はあたかも一歳か二歳の幼児のごとく、知、情、意ともにきわめて程度が低いが、特に知力にいたっては普通人との相違が実にはなはだしい。猿男とか狐娘とか名を付けて、時々見せ物に出ているのは多くはかような奇形児である。

以上述べたごとく、われわれの精神的作用なるものはすべて大脳の働きで、特に学問の基なる知力にいたっては、大脳の発達と直接に比例していることが明らかであるが、これから推し考えて見ると、われわれの大脳はいかなる経歴を通過して、今日の程度のものまでに進化しきたったかということを知るのは、何学問を修める者にとってもきわめて必要なことである。特に哲学、倫理、教育、宗教等のごとき主として大脳の力のみをたよりとして研究する種類の学科ではよほどこの点に注意せねばならぬ。