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じんるいのせいぞんきょうそう

進化と人生(上)

丘 浅次郎

線上閱讀丘 浅次郎《進化と人生(上)(じんるいのせいぞんきょうそう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 82,343 字 · 164 頁

青空文庫

七 迷信利用の害

必ず他にまけぬだけに進歩しなければならぬが、この方面から考えると、迷信をもって民を治めるということには大いなる害がある。

七 迷信利用の害

前にも述べたとおり、昔の世の中ではずいぶん迷信によって民を治められる者も、しばらく泰平をうたうことができたが、世が進んで人の知識も自然に発達せんとする場合に、なお旧来の迷信を利用して民を治めんとはかることは、その国の将来に対してははなはだ不利益なことである。治める側の者はただ一途に国を思い、民を思うて旧来の迷信の保存につとめるのであるとしても、これは目前のことのみに重きをおいて、将来のことを度外視した誤った考えである。時勢の進歩を顧みず旧来の迷信をしいて保存しようとすれば、いきおい理科的精神をおさえることになり、理科の発達を妨げ、理科的知識の応用を遅からしめて、文明の進歩を阻害することになるが、列国競争場裡にあって独立を保ってゆくには、このことはよほど考えねばならぬ。今日最も文明の進んだ英、米、独等のごとき強国は従来迷信を利用することの最も少なかった国々で、今日文明におくれて衰弱の状におもむきつつあるイスパニヤのごときはかつて最も多く迷信を利用したことのある国ではなかろうかと考える。