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じんるいのせいぞんきょうそう

進化と人生(上)

丘 浅次郎

線上閱讀丘 浅次郎《進化と人生(上)(じんるいのせいぞんきょうそう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 82,343 字 · 164 頁

青空文庫

小脳その他の脳部のことはしばらくおき、ここには主として知力の器官なる大脳の進化の経路だけをこの三方面から論じてみよう。

まず脊椎動物の中から若干の例を取り出して、その大脳を比較してみるに、最下等のものから最高等の人間にいたるまで、階段的に漸々進みきたった跡が明らかに知れる。ここに掲げた略図のうち、第1は人間の脳髄の上面を少しく後から斜めに見たところであるが、ほとんど全部が大脳のみから成り立ち、小脳はわずかに後縁のところに少しく現われているだけである。大脳は前にも述べたとおり縦溝によって左右の両半球に分かれ、各半球の表面には複雑な雲形の凸凹がある。これは大脳の中で最も重要な皮質部が発達して、表面がいちじるしく増加した結果で、有名な学者の脳髄などではこの凸凹が最も整うている。第2は猿の脳髄であるが、これは大体においては人間の脳髄によく似ている。その相違の点は脳髄全体に対して大脳がやや小さく、小脳がやや大きく、かつ大脳の表面の凸凹がいくぶんか簡単なことである。第3は犬の脳髄で、これでは小脳がほとんど全部現われ、大脳は猿に比してなお一段小さく、かつ表面の凸凹も少しく簡単になり、その前端には新たに一対の小さな突起が現われている。