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しぜんかいのきょぎ
進化と人生(下)
丘 浅次郎
線上閱讀丘 浅次郎《進化と人生(下)(しぜんかいのきょぎ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 55,568 字 · 109 頁
それと全く同じような考え方はどこにも見当たらなかったゆえ、次にひととおりその要点だけを述べ、それを基礎とした物の見方をいくつか掲げておこう。
われらは今日までに何冊かの哲学書を読んでみた。中にはおもしろいと思うて数回読み返したものもある。しかるに一冊としてそのまま取って自分の哲学とすることのできたものはない。これはおそらく読む前から自分自身の哲学を持っていたからであろう。徳利でも空のものには水を注ぎ入れることができるが、水がいっぱいにはいっている徳利にはもはや水がはいらぬごとく、自身にすでに一人分の哲学を貯蔵している者は他人の哲学を読んでみても、ただ面白いとかつまらぬとか感ずるだけで、決してそれによって、自分の思想界を占領せらるるごときことはない。われらの哲学の骨子は次の三節に述べるとおりであるが、かようなことを考え始めてからのちは、何物を見ても何事を聞いても、いつも必ずその見地から判断を下し、今日にいたるまで、物の考え方ははなはだしく変わらなかった。われらがいかなる書物をも鵜呑みにすることができず、いかなる学者をも崇拝するにいたらなかったのは全く自分の哲学を尺度として、他人の説の寸法を測ったからである。