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しぜんかいのきょぎ

進化と人生(下)

丘 浅次郎

線上閱讀丘 浅次郎《進化と人生(下)(しぜんかいのきょぎ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 55,568 字 · 109 頁

青空文庫

歴史をいくつかの時代に分けて、各時代に、それぞれ名をつけるとややもすれば、かような感じを起こさしめるおそれがある。天地間にある万物はいずれも変化せぬものはないが、名称のほうは固定しているゆえ、名称をつけられ、それで呼ばれると、その物までが固定せるごとくに見なされるをまぬがれぬ。常に変じつつある物を暫時固定せるごとくに考えきたった例は、昔からずいぶんたくさんにあるが、これには言葉が大いに手伝っていたと思われる。

以上述べたとおり、言葉を用いて物を考える場合には、勢い境界のないところに境界を造ったり、言葉に合わせて事物を模型化したりすることを避けられぬが、このことはむろん有形の物質に限ったわけではなく、無形の抽象的方面にも通じたことである。しこうして有形物のほうでは実際境界があるかないか、模型と実物とが一致するか、せぬかを実物について直接に検査して見る便宜があるから、誤りを見いだすことが、比較的に容易であるが、無形の事物になると、かような検査がすこぶる困難であるために、まるで誤った議論でもなかなか化の皮が現われず長く生命を保つことができる。また有形物のほうでは実際にない物に名をつける気遣いはないが、無形の議論においては、ない物を想像して、これに名をつけることがしばしばあり、しかも、いったん名がつけられるとその