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てっとうのかいじん

鉄塔の怪人/海底の魔術師

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《鉄塔の怪人/海底の魔術師(てっとうのかいじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 160,770 字 · 322 頁

青空文庫

いくども失敗して中途からころがり落ちたすえ、とうとう、てんじょうまではいあがりました。そして、そこから、パッと、じゅうたんの上へ落ちるのです。

ほんとうのカブトムシが、木の枝から落ちるように、まっさかさまに落ちてくるのです。それを、いくどもくりかえすのです。

てんじょうから、おそろしい音をたてて落ちるときには、たいてい、背中を下に腹を上にして、じゅうたんの上にころがります。そして、しばらくのあいだ、ぶきみな長い足を、モガモガやっているうちに、ピョイと、まともな姿勢になるのです。これも、よほど練習しなければ、できないわざにちがいありません。

二十分ばかりも思うぞんぶんはいまわり、とびまわったあとで、カブトムシはやっと運動をやめてあおむきになったかとおもうと、例の腹のさけめから、ぬっと白ひげのじいさんの顔があらわれました。見ると、その顔は汗でビッショリです。

じいさんはカブトムシのからから、すっかりぬけだすと、もとの安楽いすにこしかけました。そして、そこへうずくまって、じっとしていた子どもカブトムシに話しかけました。

「どうだ、わかったか。カブトムシはこんなぐあいに動くのだ。