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さこく

鎖国

和辻 哲郎

線上閱讀和辻 哲郎《鎖国(さこく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 443,306 字 · 875 頁

青空文庫

それはさまざまの美しいものや優れたもの、再びすることの出来ない個性的なものをわれわれに伝えた。それを明かにすることは確かに意義ある仕事である。しかしそれらのものの代償としてわれわれがいかに多くを失ったかということもまたわれわれは承知していなくてはならない。その問題をわれわれはここで取り上げようとするのである。

がその問題に入り込む前に、近世が始まるまでの、従って鎖国というようなことが総じて問題になるまでの、世界の歴史的情勢を概観して置きたいと思う。鎖国が問題になるのは世界的な交通が始まったからであって、一つの世界への動きは既にそこに見られる。鎖国とは一つの世界への動きを拒む態度である。従ってそれが問題になる以前の時代には、世界は多くの世界に分れていた。そうしてそのなかでヨーロッパ的世界が特に進歩しているというわけでもなかった。しかし近世の運動はヨーロッパから、始まったのであるから、先ずそこから始めよう。

ローマ帝国が地中海を環る諸地方を統一して当時のヨーロッパ人にとっての世界帝国となったとき、それはまたこれらの諸地方の一切の古代史の集注するところでもあった。