輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
もん
門
線上閱讀夏目 漱石《門(もん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 139,830 字 · 278 頁
こう考えて宗助はしきりに煙草を吹かした。表は夕方から風が吹き出して、わざと遠くの方から襲って来るような音がする。それが時々やむと、やんだ間は寂として、吹き荒れる時よりはなお淋しい。宗助は腕組をしながら、もうそろそろ火事の半鐘が鳴り出す時節だと思った。
台所へ出て見ると、細君は七輪の火を赤くして、肴の切身を焼いていた。清は流し元に曲んで漬物を洗っていた。二人とも口を利かずにせっせと自分のやる事をやっている。宗助は障子を開けたなり、しばらく肴から垂る汁か膏の音を聞いていたが、無言のまままた障子を閉てて元の座へ戻った。細君は眼さえ肴から離さなかった。
食事を済まして、夫婦が火鉢を間に向い合った時、御米はまた
「佐伯の方は困るのね」と云い出した。
「まあ仕方がない。安さんが神戸から帰るまで待つよりほかに道はあるまい」
「その前にちょっと叔母さんに逢って話をしておいた方が好かなくって」
「そうさ。まあそのうち何とか云って来るだろう。それまで打遣っておこうよ」
「小六さんが怒ってよ。よくって」と御米はわざと念を押しておいて微笑した。宗助は下眼を使って、手に持った小楊枝を着物の襟へ差した。