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ゆきざっき
雪雑記
中谷 宇吉郎
線上閱讀中谷 宇吉郎《雪雑記(ゆきざっき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 9,988 字 · 20 頁
その中でこの場合先ず気の付いたことは、状態の一定度である。どうせ寒暖計で測った気温は、例えば零下二十度といっても、それは空間的に考えれば、水銀球のある場所の周囲の平均温度を指しているのに過ぎない。また時間的に見ても或る時刻における温度というものは、その前後の短い時間の平均温度である。ところが暖い水蒸気と冷い空気との混和というような問題になると、時間的にも空間的にも非常にこまかく考えて見ると激しい偏差があるはずである。ところが普通の寒暖計で測るとそれは出て来なくて、水銀柱はその平均値を示すだけである。そして多くの場合にはこのような偏差は大した問題にはならぬので事が済んでいるのであるが、雪の結晶のような小さいものになると、それが非常にきいて来て良いはずなのである。
こう気が付いて見ると、今までのように気温いくら、水温いくらといって済ましてはいられなくなって来た。同じく寒暖計が零下二十度を示していても、本当に気温が零下二十度になっている場合と、零下二十度を中心にしてその上下に激しく変化しているのが寒暖計には平均されて二十度と出ている場合とは大変な違いである。