輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
なるとひちょう
鳴門秘帖(三)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《鳴門秘帖(三)(なるとひちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 261,216 字 · 521 頁
もともと、かれは江戸で、お千絵様という女性を墨屋敷の穴蔵部屋へ押し込めていた当時からして、金箔付の隠密組のひとりという身柄は、こっちも知っていたのに!
返す返すも不覚だった。
といって、もう追いつく沙汰じゃあない。そんな愚痴や繰言は、逃げてゆくきゃつの嘲笑を値打づけるばかりだ。
「くそウ! そう鮮やかな芸当を、まんまとやり遂げさせてたまるものか」
お十夜は、ふたたび、裏門を蹴って町へ走りだした。
城下の辻は夜もすがらの笛だ、太鼓だ! 踊ってる! 踊ってる! 踊ってる! かれが韋駄天と飛んでゆく先、走ってゆく先の町には、必ず幾組もの男女が仮装して、囃子とともに踊りの渦を巻いている。
「ちイッ!」と、かれは歯ぎしりを噛んだ。
まるでこの人間どもは、おれの今を囃していやがる。おれのこの形相を嘲笑っていやがる。
なにが面白い※(感嘆符疑問符、1-8-78)
何がなんで踊りを踊る晩なんだ。
全身はあぶら、額にも汗をしぼって、お十夜の息はあらく苦しげだった。
いきなり、景気のいいひと群れの踊りの輪を駆けぬけた時、かれは、そぼろ助広を抜いていた。
――どッと、孫兵衛の狂気じみた影が、十数間も先へ駆けぬけてから、うしろにあたって、今さらのように、ヒイーッとたまげる声がして、歓楽の人渦はぶっ掛けられたような血を見てさわぎあっ