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あるよのほしたちのはなし
ある夜の星たちの話
小川 未明
線上閱讀小川 未明《ある夜の星たちの話(あるよのほしたちのはなし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 4,262 字 · 9 頁
「汽車が通っている?」と、盲目の星は、きき返しました。
「そうです、汽車が、通っています。町からさびしい野原へ、野原から山の間を、休まずに通っています。その中に乗っている乗客は、たいてい遠いところへ旅をする人々でした。この人たちは、みんな疲れて居眠りをしています。けれど、汽車だけは休まずに走りつづけています。」と、下界のようすをくわしく知っている星は答えました。
「よく、そう体が疲れずに、汽車は走れたものだな。」と、運命の星は、頭をかしげました。
「その体が、堅い鉄で造られていますから、さまで応えないのです。」と、やさしい星がいいました。
これを聞くと、運命の星は、身動きをしました。そして、怖ろしくすごい光を発しました。なにか、自分の気にいらぬことがあったからです。
「そんなに堅固な、身のほどの知らない、鉄というものが、この宇宙に存在するのか? 俺は、そのことをすこしも知らなかった。」と、盲目の星はいいました。
鉄という、堅固なものが存在して、自分に反抗するように考えたからです。
このとき、やさしい星はいいました。
「すべてのものの運命をつかさどっているあなたに、なんで汽車が反抗できますものですか。