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おれはにじゅうめんそうだ

おれは二十面相だ/妖星人R

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《おれは二十面相だ/妖星人R(おれはにじゅうめんそうだ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 194,415 字 · 391 頁

青空文庫

鉄道はじまっていらい、一度も例のないことです。

機関士も車掌も、この鉄道に、長いことつとめている、信用のおける人たちでした。そのふたりは、横目駅と矢倉駅の間で、列車は、一度もとまらなかったし、あやしいこともなかったというのです。だいいち、とちゅうで列車をとめて、貨車をはずしたりしていたら、きまった時間に矢倉駅へつくことはできないはずです。それから、矢倉駅と横目駅の両方から、蓄電池で動くトロッコを出して、二つの駅の間の線路をしらべましたが、なんのかわったようすもないことがわかりました。貨車はどこにも、のこっていなかったのです。

あの大きな貨車が、煙のように消えうせてしまうなんて、人間の知恵では考えられないことです。

この事件には、なにか、人間いじょうの力が働いているのではないでしょうか。

そこまで考えてくると、もうほかに答えはありません。

駅長も、警察分署長も、村長も、村のおもだった人たちも、すぐに「巨人の腕」のことを思いだしました。

あのばけものなら、人間にできないことも、やすやすと、やってのけるにちがいないのです。

「しかし、巨人の腕が、つかみとったとすれば、列車ぜんたいが、ひどくゆれただろうが、機関士も車掌も、それを感じていないのはへんだね。