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おれはにじゅうめんそうだ
おれは二十面相だ/妖星人R
江戸川 乱歩
線上閱讀江戸川 乱歩《おれは二十面相だ/妖星人R(おれはにじゅうめんそうだ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 194,415 字 · 391 頁
さすがに警察分署長は、巨人の腕などという、怪談を信じていたわけではありませんから、本署とも連絡して、手をつくして、捜索したのですが、まったく手がかりがないのです。
その夕がた、分署長の波野警部補は、トキワ館の近くに用事があったので、その帰りにトキワ館にたちよって、応接間で主人と話しこんでいました。
「なんどいっても同じことだが、こんなふしぎな事件は、生まれてはじめてですわい。貨物列車のまん中の、一両だけが消えてなくなるなんて。しかも、あの列車は、横目駅を出たのも、矢倉駅についたのも、時間表のとおりで、一分も、おくれちゃいない。貨車をとりはずすひまなんか、ぜったいになかったのじゃ。じつに、またふしぎな事件ですよ。どうやら、わしも、巨人の腕というやつを、信じそうになってきましたわい。」
分署長は、井上少年のおじさんのトキワ館の主人とは、碁の友だちでたいへんなかよしでしたから、なんのかくしだてもしないで、ぐちをこぼすのでした。
「いや、おさっししますよ。日ごろは平和な村で、事件がなくてこまるほどだが、こんなとほうもない大事件がおこっては、あんたも、たいていじゃありませんな。