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さぶ
さぶ
山本 周五郎
線上閱讀山本 周五郎《さぶ》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 210,521 字 · 415 頁
わ、いい仕上げだ、立派な腕だって、――そのとき糊を褒める人がいるかしら、この掛物に使った糊はみごとな仕込みだって、仮にも褒めるような人があると思って、栄さん」
「おすえさんのことだってそうよ」とおのぶは調子を変えて続けた、「いまに栄さんのお店が繁昌し、賃仕事なんかしなくってもいいようになっても、それでおすえさんがいまより楽になるわけじゃないのよ、一家の切盛りをし、御亭主にいい仕事をさせるためには、賃仕事なんかするよりずっと大きな苦労が絶えない筈よ、そう思わない、栄さん」
栄二はなにも云わず、湯呑を取って水を啜った。おのぶはまた手酌で二つ飲んだ。
「あたしこうして、ながいことお客の相手をしてきて、つくづくそう思うの」おのぶは太息をついて云った、「――世間からあにいとか親方とかって、人にたてられていく者には、みんなさぶちゃんのような人が幾人か付いているわ、ほんとよ、栄さん」
「わかった、よくわかったよ」
寄場にいるとき、与平にも同じようなことを云われた。おまえさんは一人ぼっちじゃあない、少なくかぞえてもさぶちゃんやおすえさん、おのぶさんという人がいるじゃないか、どんな場合にも、人間は一人ぼっちということはないんだよ、というような意味のことだ。