輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
さぶ
さぶ
山本 周五郎
線上閱讀山本 周五郎《さぶ》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 210,521 字 · 415 頁
十六の三
「待ってくれ」さぶは吃った、「そう一遍になにもかも云われちゃあ、おらめんくらっちまうばかりだ、おらがおせえちゃんとどうするって、栄ちゃん」
栄二はなにかを払いのけるような手まねをした、「いいよ、その話は帰ってからだ」
「それでもさ、もし栄ちゃんが、おらとおせえちゃんをいっしょにするつもりなら、それは考え違いだぜ」
「相手はまだ子供だって云うんだろう、いいよ、この話はあとのことにするよ」
十六の三
明くる日は強い北風が吹きあれて、寒さもきびしかったが、朝めしのあとまもなく、栄二は注文した紙のことを慥かめるため、本石町四丁目の大和屋へいった。指定どおりの品を五日以内に揃えるそうで、今後もひいきにしてくれるなら代銀はあとでもよい、と大和屋の主人が云った。紙屋というのは権高であることが通例のようであった。産地の遠近を問わず、上質の紙を数多く揃えるのは、多額の資金と選別眼が欠かせない要件であるし、なによりも紙が貴重な品であったことが、他のしょうばいとは違った気質を生んだものらしい。だが、大和屋はそうではなかった。注文した品がみな筋のとおった、最上級のものだったことにもよろう。