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それから
それから
線上閱讀夏目 漱石《それから》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 172,794 字 · 347 頁
老人は或はそれを披露する気で、呼んだのかも知れないが、代助の態度を見て、もう少し控えて置く方が得策だという料簡を起した結果、故意と話題を避けたとも取れる。
この候補者に対して代助は一種特殊な関係を有っていた。候補者の姓は知っている。けれども名は知らない。年齢、容貌、教育、性質に至っては全く知らない。何故その女が候補者に立ったと云う因縁になると又能く知っている。
代助の父には一人の兄があった。直記と云って、父とはたった一つ違いの年上だが、父よりは小柄なうえに、顔付眼鼻立が非常に似ていたものだから、知らない人には往々双子と間違えられた。その折は父も得とは云わなかった。誠之進という幼名で通っていた。
直記と誠之進とは外貌のよく似ていた如く、気質も本当の兄弟であった。両方に差支のあるときは特別、都合さえ付けば、同じ所に食っ付き合って、同じ事をして暮していた。稽古も同時同刻に往き返りをする。読書にも一つ燈火を分った位親しかった。
丁度直記の十八の秋であった。ある時二人は城下外の等覚寺という寺へ親の使に行った。これは藩主の菩提寺で、そこにいる楚水という坊さんが、二人の親とは昵近なので、用の手紙を、この楚水さんに渡しに行ったのである。